4th Album “永遠。”
Released on 98.9.11
1. 雨
Written by Origa
原題は「ДОЖДЬ」(ドーシチ。「雨」の意)。静かで落ち着いた、雨の日のような、しかしどこか明るい歌。雨がこの歌にどこか明るさをもたらしている。それは雨が、例えば「恵みの雨」のように何かをもたらしてくれるからではなく、雨そのものが、それ自体としてこの歌に明るさを持たせているように思える。高校の頃の私は、学校の帰りに雨が降っていて傘を持っていなかった時など、この歌の歌詞を心の中で口ずさみつつ、妙に疲れた喜び、妙に疲れた安らぎを感じながら、雨の中をあんまり急がず歩いていた。なお、歌詞の最後には「タチアナ スニェジーナを偲んで」と書かれているが、直訳すると「タチアナ スニェジーナの詩を思い出しつつ」になる。 |
2. 私の太陽
Written by Origa
原題は「СОЛНЦЕ МОЁ」(ソーンツェ・マヨー。「私の太陽」の意)。非常に明るい雰囲気の歌で、その明るさは、心を暖めてくれる暖かさであるが、それと同時に、あまりに明るすぎる光という雰囲気もあると思う。主に太陽の光の面について歌っている歌だが、それだけじゃない、もっと違った太陽の側面がどこか感じられる気がする。なお、この歌は一箇所、歌詞カードの歌詞と実際にCDで歌っている歌とで違っている個所がある。また、この歌は時々テレビ番組のBGM等で使われているらしい。 |
3. 遠い日
Written by Origa
原題は「ОБРАТНЫМ БИЛЕТОМ」(アブラートヌィム・ビリェータム。「帰りの切符で」くらいの意)。オリガの歌は基本的にオリガの作詞・作曲だが、Produced by Origaとなっているのはこの歌くらい? 歌の内容は、一言で言えば「子供に戻りたい」だが、この一言だけでは歌の内容の説明としては不十分。私の最も気に入っている歌の一つで、「木々がまた大きく見え 母の手が 若返ったら……」という部分は、既に10代ともおさらばしようとしている今(注:2001年当時)、自分にも10歳になる前の時代があったんだな、と思わせ、特にしみじみとします。 |
4. 忘れな草
Written by Origa
原題は「ПРОСТИ И ЗАБУДЬ」(プラスチー・イ・ザブーチ。「許して忘れなさい」くらいの意)。歌はきれいな南国(?)の風景から始まり、途中で突然、友達(?)を捨てて別の娘を追っていた男についての話題になり、以下その男を許しなさい、という内容が続く。歌詞を読んだだけだと「Origaって寛大なんだな」って感じがするが、実際の歌は、落ち着いた雰囲気の中にもっともっと強い感情がこもっているように感じる。また、最初の情景を歌った部分から話題が変わる部分では、歌詞の内容、歌声、曲とも、非常な切なさを感じ、思わずはっとする。題名にもある「ПРОСТИ」は、普通は「(自分のことを)許して!」という意味だが、この歌では第三者(彼)のことを許せ、という意味で使われている。 |
5. 二人の絆
Written by Origa
原題は「ТЕЛЕФОННАЯ НИТЬ」(チェリェフォーンナヤ・ニーチ。「電話の糸」の意)。これも、子供時代の日々を懐かしむ歌。悩みもなく友達と遊んでいた幼き日々、それは本当に一瞬にして過ぎてしまうもの。どこか懐かしい雰囲気の明るいメロディーは、そんな在りし日々の楽しい思い出を心に呼び戻してくれる気がする。子供の日々は永久に失われた。でもそれは、あの日々の友達への電話、それ一つで心の中に呼び戻せるもの。最近は糸なしの電話ばかりになってきたが、「Но телефонная волна снова поможет сердца соединить.」(でも電話の波(電波のことね)は再び心をひとつにしてくれるでしょう。) |
8. 永遠とは
Written by Origa
原題は「ЧТО ТАКОЕ ВЕЧНОСТЬ?」(シト・タコイェ・ヴィェーチナシチ。「永遠とは」くらいの意)。さすがはこのアルバムの題名にもある「永遠」というものを歌っている歌。非常に完成された感じがあり、また同時に、何かこれから飛んでいく、と感じさせるような雰囲気も併せ持っている。私の最も気に入っている歌の一つ。ベストアルバムに入ってないのが残念。なお、歌詞カードに載っている歌詞と、実際にCDで歌っている歌詞とは、約二箇所違っている部分があるが、単なるミスだろうか、それとも意図的なことだろうか? なお、この歌は、2001年度現在、NHK教育テレビ「ロシア語会話」のオープニングに使われている。 |
9. TAM
Written by Origa
原題は「ГДЕ-ТО ТАМ」(グジェータ・タム。「どこか」くらいの意)。「TAM」は、ロシア語(偶然キリル文字とほどんど同じ字形だが、こちらはローマ字表示)で、日本語訳は困難であるが、英語の「There」くらいの意味。しっとり系ともポップ系とも違う、独特の雰囲気の歌。私は高校生の一時期、この歌がとても気に入っていた。一番最初の言葉が「Поездом ночоым(夜汽車で)」なのが鉄道ファンの私に気に入ったのかもしれないが、私が当時ノートの隅に頻繁に書いていたのは、リフレーン部分の「На небе первая звезда(空に一番星)」だった。 |
12. ポーリュシカ・ポーレ(Bonus Track)
Words by Origa, Music by Knipper and Akira Senju
single“ポーリュシカ・ポーレ”に収録されている歌。解説はこちら。 |